転んでもタダじゃ起き上がらない! in ドイツ

憧れの海外就職の失敗談。こんなはずじゃなかった。。をお届け

13年目のKick out of ●●!!〜●●から出て行け!!〜

さて、私が店長に店を辞める話をした時のことを書こうと思う。

 

私は店長に精神的に追い詰められていたので

(おそらく店長もそんなことは承知だがその上でさらに追い詰めるというタチの悪さ)

泣き落としで行こうと思った。

正直、こんな早く辞めることに多少の後ろめたさはあったが

このまま続けていく方が自分の精神衛生的にもよくない。

ここはすっぱりさっぱり辞めたいのだ。

 

店長に時間をもらっていざ!

このまま続けていくのは難しいこと、

自分がなんでこんなにミスをするのかわからないこと

もう日本に帰りたいので辞めさせてほしいこと

迷惑とはわかっているがやっていく自信はないこと

 

上記について伝えると開口一番

「絶対ダメです」

 

内心、ダメとかないし。。。。という私の気持ち。

 

まだ何もやってないし、何よりも俺の金がかかってるんだから

ダメです。

 

・・・また金の話か。

 

そう。この店長はいつも金の話なのである。

金の亡者である。

そして意地汚い。

 

こいつに真正面からいっても無理なのだ。

とりあえず伝えたいことは伝えたし、ダメと言われたら

とりあえず引き下がるしかない。

作戦を練り直して再度挑むのみである。

 

その日の仕事終わり、店長の手下の20歳の従業員がご飯に誘って来た。

若さゆえだろうか、口が軽い軽い。

軽すぎてこの子の先の人生は大丈夫なのかと心配になるほどである。

この子は自分も店長の悪口をそれはもう言いまくりなのだが

私や他の従業員が言っていることに関しては

店長にチクっていたのである!!

私は当初それを知らずに仲間だと思って自分の気持ちを話していたのだが、、、、

結果はお分かりですよね。。。。

なぜ店長があんなに私にドギつく精神的に追い詰めるほど当たるのか。。。

このスパイのせいである。。。。

 

そして今回、辞めるにあたり私はこのスパイを逆手にとってやることにした。

 

「今日なんの話してたんですか?すごい気になってました!」

早速探りをいれていきている。

 

もちろん前々からこいつには辞めたいと言っていたので

 

「辞めること話して来たんだよー。ダメとか言われたけどね。

てかダメとかないよね!笑

私は何がなんでも辞めるけどね~!」

 

「そうなんですか?どうやって??!」

 

「うーん。ドイツ人の彼(の話はまたこんど)に契約書見せたら

辞められないことは絶対にない。試用期間中はやめられるようになってるって言ってて、もしそれでも辞められないって言われたら

一緒に弁護士のところ行ってあげる!って言われたから、辞められないってなったら普通に訴えるよ!」

 

「え!!マジッスカ????訴えるってすごくないですか?そんなことできるんですか?」

 

「ドイツは紙と契約の国だからね。契約書にサインしたことが全て。

それにあんま関係無いけど、私の両親日本では裁判関係の仕事してるからさ、これも脅しになるっちゃなるしょ」

 

「へぇ~~~~~!すごいですね!!強い!それなら辞められそう!」

 

私は内心、かかったな!

と思ってた。

こいつは私が本気で訴えると思っていることを言うに違いない。

あとはメインの魚が釣れるのを待つのみである。

 

2日後。。。。。

 

店長に呼ばれた私は薄々感づいていた。。。。

思った通り、店長から辞めることについて了承が出たのだ。

 

「俺もいろいろ考えたけど、続けられないって言うなら仕方ないですね。

ただし、条件があります。

日本に帰るって言うなら、帰ってくださいね。

腰掛けは嫌ですから。フェアじゃないし、俺は君を雇うのに莫大な金を使ってるし。

ドイツに戻って来たりするんですか?

それは辞めてくださいね。

ドイツから出てってください」

 

私は辞められることで有頂天になってたので

こんなめちゃくちゃなこと言われてもとりあえずハイハイ聞いて

その場をやり過ごしたのである。

 

しかしその後、ふとしたことを思い出した。

 

あれ???

なんか聞いたことあるぞこのフレーズ・・・

英語で言えば

Kick out of Germany」じゃないか??

なんか昔言われたことあるぞ。。。?

違う国名だったけど。。。。

 

そう。

13年前、まだ高校生だった頃。

私はアメリカに留学をしていて相当やんちゃをしていた。

規則という規則はかたっぱしから全て破り

初めて親元を離れるという開放感からそれはもうめちゃくちゃであった。

Bad Japanese Girlと浮名を流したのはこの私である。

ホームステイ先は田舎だったので

噂は瞬く間に広まり、悪さしまくりの私はついに二進も三進も行かず

追い込まれたのである。

 

そして留学先の現地エージェントに

You are Kick out of the U.S.A. and never come back

訳・アメリカから出てって2度と戻ってくるな!

 

15歳のヤングなガールが一国から追い出されるような

セリフを吐かれるとはただ事ではない。

 

しかもそれは私が留学して3ヶ月目ほどのこと。

まさに11月初旬のことで、びっくりするほどピッタリ13年前の話なのだ。

 

異国に来て3ヶ月というところも同じである。

13年経って、別の国から出て行けと言われるなんて

誰が予測できただろうか。

 

面白すぎである。

(この話も面白いから気が向いたら留学バージョンも書くことにしよう)

 

かくして私は店長にドイツから出ていくことを約束させられ

無事に辞めることができたのである。

 

「オメェのドイツじゃねーんだよこのドアホが!」

などと心の中で思ったことは内緒である。